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超陸戦兵器とは(?)…

 先日…と言っても2週間ほど前…近くの本屋で、「超陸戦兵器」(アリアドネ企画・河津幸英著)といういか燃えなタイトルの本を仕入れた。以下のような装丁の代物。
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内容と言えば、二千五年当たりの軍事研究が特集した米陸軍の次世代計画FCS(Future Combat System)関連記事の総集編である。それなりに面白かったんだが、ほとんど同じ記事をそのまま転載している割には値段が高いと思った。それに内容的には米陸軍のFCS計画のサイトと共通項がある。そんでその米陸軍のFCSのリンク先は以下の通り。
http://www.army.mil/fcs/
英語力の弱いオイラにはどうもちんぷんかんぷんだが、英語がわからなくても、ちょっとした動画ビデオが再生できるので楽しめる。何だか容量は食うが、ゲームも無料でダウンロードできるようだ。オイラのパソコンは要求されるスペックに対して性能的に乏しいので、取り込みはしていないが、好きな人は試してみると好いかも。

さてFCS計画の概略を知るだけでも、資料的な価値はあると思う本書だけれど(←価格が高い)、基本的には重量級の機甲師団から、中量級の空輸が可能な空挺に近い旅団を作ろうと言う構想のFCS。ただし現行師団の重車両は主力戦車のM1やM88A2戦車回収車の60tクラスを例外として10~30t台である。翻ってFCSの車両を見ると平均して20tクラス。車種別に見れば、現行の車両から増えるものもある。要は共通の車体を採用して部品調達といったもろもろの効率を追求することが主眼のようだ。発想自体は悪くない。将来的には主力戦闘車両のダウンサイズは趨勢だと思うけど、イラク戦における市街地戦闘では、60t超級のM1戦車でさえ破壊されて、鈍重な装甲車両の脆さを露呈している中でFCSに先駆けて導入されたストライカーの装甲の貧弱性は想像に難くない。それでFCSも重量規制を緩和して、その分だけ装甲量を増やしている。対戦車ロケット弾対策は、リアクティブアーマーやアクティブアーマーである程度確保しているようだが、高速の運動エネルギー貫通弾や、地雷のような手作りの仕掛け爆弾に関してはお手上げのようだ。車両の装甲を増やせば増やすほど、狭隘な市街地では身動きが取れなくなってしまうから、FCSが目指したトレンド方針とは逆行する。装甲を増やすだけの受身対策よりは、こちらからいち早く能動的に、ネットワークを介して敵を見つけ出すか…先手必勝で相手を制する以外に手は無さそうである。そのためには一段とロボットの数を増やさねばなるまい。例えば爆弾の匂いを嗅ぎ付けるようなロボット犬やロボット蜂を、それこそ無数に持ち込むような事態が実現しない限りは、安全は確保できないのかもしれない。
FCSのサイトで見た動画でもやはり分散展開したユニット同士がネットワークでリンクして戦場全体を支配するという形である。ただしこのネットワークがジャミングされたり、現在より大容量のデータを高速でやり取りするネットインフラ自体の安定性や堅牢性がどの程度担保されるのか良くわからない。
FCS開発の目玉である自動化推進の中で、ロボット車両に大事な自動運転システムの開発がロボットカーレース開催に象徴されているように進み始めているので、初歩的なロボット戦闘車両は何とか実現できそうだ。しかしロボット車両と歩兵が一緒に行動中に敵の銃撃を受けたとして、歩兵がロボット車両を楯代わりにしようとしたら、ロボット車両のFCSが自動的に攻撃回避を優先したために、歩兵を置き去りにしてしまい、結果的にロボット車両は無事、歩兵は傷ついたみたいなシナリオも考えられなくはない。素人考えだが、このようなクルティカルな戦況での行動は、ロボットの自動運転モードが取り敢えず実用化されたとしても、人による遠隔操作が無ければ、ロボットの行動はまだまだ信用できないように思える。それにターミネーターに近いヒューマノイドロボットに関しては一切、登場していないのは寂しい限り。この分野に関しては是非とも日本に実現して欲しいところ。
主役になる有人の戦闘車両は共通の車体で、両輪にゴムクローラーを履いた装軌式を採用している。ハイブリット駆動システムと2マンクルーシフトのグラスコックピットという高級なシステムだ。日本も新戦車や機動戦闘車を個別に一から開発するくらいなら、このFCS計画に一口乗ってみるのも手かと思う。
新戦車(TK-X)
↑新戦車の想像図
機動戦闘車
↑機動戦闘車の想像図
FCSの情報が開発段階から比較的オープンになっているのは、ステルス機開発のようにブラックボックス的な要素が無いからだろうが、誰でもアクセス可能な汎用技術は日本の得意とするところ。案外、対等な日米共同開発になるのではないかと思う。ただ従来のようにアメリカが主で日本が従と言う立場からすれば、自前で出来ることは自前主義でやりたいのも判るが、先細りの予算の中では生産コストや研究開発の諸々のコストダウンが大事だ。共同開発の方が技術の他流試合も出来て得るものも大きいと思うのだが…。
技本の先進歩兵装具
↑技術研究本部で開発中の先進装具
FCSの次世代歩兵装具であるFFW(Future Force Warrior)は、モバイルの通信機器を満載した格好であることに変わりは無いが、それに対応する日本の技術研究本部の物は、まだ開発途上であるせいか、既製品を寄せ集めた感じ。FFWに比べればその洗練度は…である。
リアライブ・空気式のロボットスーツ
↑松下製の空気式パワーアシストシステム
サイバー大ン者のロボットスーツ
↑世界的に有名になったロボットスーツHALシリーズ。
それより上の例にあるようなロボットスーツの応用は、このFCSの本中では具体的にはまだ見えてこない。アメリカの国防総省から技術協力の以来を受けたと言う日本のロボットスーツは介護向け作られているが、米国が機械化歩兵向けにしている研究開発はどの程度進んでいるのか、興味のあるところである。このようにデジタル化の最先端を着々と進む同盟軍アメリカに対し、日本の陸上自衛隊のデジタル化の現状は、米陸軍に比べれば10年程度遅れているとされているが、共通のソフトウェア無線機を日米で共同開発するとされているので、そのギャップをキャッチアップするのは、技術的には比較的容易に達成可能と思うが、後は予算的なモノだろう。この分野もやはりしばらくは、アメリカの支配に置かれるのは間違いないだろう。日本から発信されるアプローチというのは、ほとんど無いに等しいので…。

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  1. 2006/12/26(火) 18:30:00|
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